防水工事とは
建築物の屋根は雨水の侵入防止や強風や紫外線などを防ぐ為の構造物で、傾斜屋根(勾配屋根)と比較的に勾配が緩やかな陸屋根(平屋根)に分類されるのが一般的です。
傾斜屋根では、瓦・スレート・金属などをはじめとする屋根葺き材を使用し、屋根面に降った雨水は軒樋に集められ排水されます。
傾斜屋根以外の屋根(陸屋根・屋上・バルコニー・ベランダなど)では、コンクリートや木材などの水平な屋根面を雨漏りから守るために雨水の侵入を防ぐ層(防水層)を設け,雨水を排水ドレンに集めて排水します。
この防水層を設ける工事を防水工事(防水施工)といい、防水層を施工する部位や構成する資材の種類とその組み合わせによって様々な工法があります。
主な防水工法
アスファルト防水
アスファルト溶融釜を使用する熱工法、バーナーで炙り溶解しながら張り付けるトーチ工法、大型火器を用いる事なく工事ができる常温工法(冷工法)等の種類があります。
シート防水
シート防水には、塩化ビニル樹脂系シート防水や加硫ゴム系シート防水やポリオレフィン系シート等があります。施工方法は接着工法と機械的固定工法に分類されます。
塗膜防水
塗膜防水は、液状の物を塗って膜を作りシームレスな防水層が形成される防水工法です。ウレタン系塗膜防水やFRP防水やポリマーセメント系塗膜防水等があります。
部位別の防水工事
屋上防水・ルーフバルコニー
屋上は、建物の最上部で平面になっている部分で、陸屋根ともよばれています。ルーフバルコニー(ルーフテラス)は、おもに階下に居室があるバルコニーの事を指します。
ベランダ・バルコニー・共用部
ベランダは、建物の母屋から張り出した部分で、庇や軒下に収まるものや屋根がかかっているものを指します。屋根がかかってないものはバルコニーと呼ばれています。
防水層の不具合事例
防水性能を長く維持していくためには、不具合箇所の早期発見・早期対応が不可欠であるのは言うまでもありません。定期的に点検や確認を行い、防水層やそれに関わる笠木やシーリングの現状を把握することが大切です。