アスファルト防水

合成繊維不織布にアスファルトを含浸・コーティングしたルーフィングシートを張り重ねて防水層を形成する工法です。複数のルーフィング類を積層することにより、水密性に優れた防水層が構成されます。防水層の施工方法には、熱工法・トーチ工法・常温工法(冷工法)などの密着仕様や絶縁仕様があります。

一般的な防水層の仕上げ方法は、防水層の上に保護層を設置する保護仕上げ(押えコンクリート等)と砂付きルーフィングなどの露出仕上げです。他には砂利敷きや屋上緑化を施したり多彩な仕上げ方法に対応できます。

施工前

既存：アスファルト防水
(露出仕上げ)

施工後

部分補修、遮熱色の保護塗装
(トーチ工法で部分補修)

液体状のウレタン樹脂を塗り付けて、塗布した材料が化学反応して固まる(硬化する)と、ゴム状で弾力性のある防水膜となるのがウレタンゴム系塗膜防水(ウレタン防水)です。複雑な形状をした場所でも継ぎ目のない完全な防水膜が形成されます。

施工方法は密着工法と通気緩衝工法に分類され、材料の種類は潜在性硬化剤が含まれている１成分形と、主剤と硬化剤の配合攪拌が必要な２成分形があります。

施工前

既存：ウレタン塗膜防水
(密着工法)

施工後

目地打ち換え、ウレタン塗膜防水
(通気緩衝工法)

合成ゴム系シートは下地の動きに対する追従性がよいのが特徴です。シート自体は比較的長い耐久性を持っていますが、シートとシートの継ぎ目が紫外線や熱などの劣化要因による影響を受けやすいです。
また、厚さが薄いため鳥の啄ばみや突起物の落下などによる損傷をうけやすいです。

施工前

既存：ゴムシート防水
(接着工法)

施工後

ジョイント補修、保護塗装
(既存をメンテナンス)

保護コンクリート(押えコンクリート)は一般的に厚さが８cm程度あります。その下にアスファルト防水やシート防水などの防水層が完全に隠れているため、防水層の劣化状況を目視で確認するのが難しいです。

改修方法は、保護コンクリートを撤去してから各種の防水施工する撤去工法と、既存の保護コンクリートの上から施工するかぶせ工法があります。雨漏りしている場合、保護コンクリート下の「水みち」を塞ぐため、止水材の注入も有効です。

施工前

既存：保護コンクリート仕上げ
(アスファルト防水)

施工後

手すり解体、かぶせ工法
(ウレタン防水通気緩衝工法)

既存の防水層を撤去するのか？それとも 既存の防水層の上にかぶせるのか？この判断を誤ると防水層の耐久性に大きな影響を及ぼします。既存防水層に不具合があるにもかかわらずかぶせ工法を行った場合、次回改修時に全面撤去を行う大掛かりな工事になる可能性があります。

また、かぶせ工法の種類によっては重ね張りの回数に限度があります。無駄なコストをかけない為にも、長く使う建物ほどライフサイクルコストを考慮した防水改修の計画を立てる事が大切です。

施工前

既存：塩ビシート、上にゴムシート
(機械的固定工法と密着工法)

施工中

既存防水層撤去、仮防水
(エポキシ系ポリマーセメント)