塩化ビニル樹脂系シート防水
塩化ビニル樹脂系シート防水の機械的固定工法は、下地にドリルで450mm~600mm前後のピッチで穴をあけ、表面加工されたディスクと呼ばれる円盤状のステンレス板やプレート状の固定金具を固定用アンカーを用いて塩ビシートを部分的に固定する工法です。 設備の基礎や側溝など凹凸形状が多い複雑な形状の屋上には不向きですが、既存のアスファルト防水やゴムシート防水などの露出防水層の上から被せて施工できるメリットがあり、多くの改修工事で採用されています。
機械的固定工法は、施工性や建物の動きへの追従性が良好ですが、下地に部分的にしか固定されていないことから、強風時には風が渦を巻いてシートを持ち上げようとする力(負圧) が働き、シートめくれ上がるようにあおられます。台風時の風圧力に耐えられずアンカーが引き抜けてしまう事故が実際に発生しており、防水層の施工にあたっては、算定された風圧力を上回る固定力で屋根面へ固定することが求められます。

ディスク盤設置
ディスク盤は防水シートと躯体とを結ぶ重要な役割を担っています。

誘導加熱装置による固定
誘導加熱(induction heating)家庭用のIH調理器具と同じ仕組みです。

接合部の溶融着
塩ビシート相互の接合部を熱風溶接機を用いて溶かして融着します。
施工事例1

施工前
既存:アスファルト防水
(露出仕上げ)

施工後
塩化ビニル樹脂系シート防水
(機械的固定工法) 非歩行1.5mm
施工事例2

施工前
既存:加硫ゴム系シート防水
(接着工法)

施工後
塩化ビニル樹脂系シート防水
(機械的固定工法) 軽歩行2.0mm
施工事例3

施工前
既存:塩化ビニル樹脂系シート防水
(機械的固定工法)

施工後
塩化ビニル樹脂系シート防水
(機械的固定工法) 非歩行1.5mm
施工事例4

施工前
既存:加硫ゴム系シート防水
(重ね張り改修工法)

施工後
塩化ビニル樹脂系シート防水
(機械的固定工法) 遮熱2.0mm
